施餓鬼に行ってきました【大阪・岸和田で墓石屋をはじめて149年】
2021/08/07
暑い日が続いております。
皆様 体調はいかがでしょうか?
先日、お寺で行われた施餓鬼(せがき)に行ってきました。
施餓鬼とは、餓鬼道(がきどう)に堕ちた餓鬼のために食べ物を施し供養することです。
また、餓鬼を供養した功徳はご先祖様に向けることができることから、お盆の供養と一緒に行うところも多いみたいです。
なぜ餓鬼の供養がご先祖様の供養になるのでしょうか❓
まずは簡単に餓鬼道についてのお話しを。
餓鬼道は人が亡くなったあと輪廻転生する六道(ろくどう)の世界のひとつです。
六道と言われるとおり、6つの世界(道)があります。
〇 天道
楽しい世界🌸 ただし、いずれ老いて死を迎えます(ここは浄土ではない)
〇 人間道
今 生きている世界
〇 修羅道
常に戦っている世界⚔
〇 畜生道
動物の姿となり、人間に殺され食べられる世界
意志はあるのに言葉が通じない💧
〇 餓鬼道
常に飢え、渇いている世界
お腹が膨れ上がり、手足の細い餓鬼がいるところ
食べ物が口に入る直前に炎に変わったりして食べることができない
食べ物ではないものしか口に入れることができない世界
(餓鬼の絵を見たことがある方は多いのではないでしょうか。 ”餓鬼草紙”は有名ですね)
〇 地獄道
常に鬼から拷問を受ける世界 (一般的によく知られている地獄のこと)
簡単に説明しますとこんな世界です。
ちなみに、この六道から抜け出すことを解脱(げだつ)といい、解脱できれば極楽浄土へ生まれることができます(^^♪
ですがこの ”解脱” そう簡単にはできません。
めちゃくちゃ徳を積み、悟りを開かねばなりません。
では本題です。
なぜ餓鬼を供養すればご先祖様の供養にもなるのでしょうか?
餓鬼の供養とお盆の先祖供養についてそれぞれみていきたいと思います。
まずは施餓鬼の由来です。
昔々のある日、お釈迦様の弟子が修行しているところに餓鬼が突然現れて、
「全ての餓鬼のために食べ物を施さないと、お前は3日後に餓鬼道に堕ちる」と宣告します。
驚いた弟子はお釈迦様に相談します。そしてお釈迦様のアドバイス通りに供養すると助かる事が出来た…という説。
(仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経 ぶっせつぐばつえんくがきだらにきょう より)
弟子の名前は 阿難(あなん)。
「多聞第一」といわれ、ブッダの説法を誰よりも多く記憶した釈迦の十大弟子のひとり。
なぜこんな理不尽な宣告を受けたのか不思議です(・・?
次にお盆の由来です。
昔々のある日、お釈迦様の弟子が亡くなった母親はどうしているかなーと思い、死後の世界を探してみます。
すると餓鬼道で苦しんでいるのを見つけました。
どうにも自分の力では助けることが出来ない。
そこでお釈迦様に相談します。そしてアドバイス通りにすると母親は餓鬼道から救われた…という説。
このアドバイスは今のお盆にあたる時期に、多くの僧侶に食べ物を供え、母の成仏を願ってもらいなさい、というものでした。
(仏説盂蘭盆経 ぶっせつうらぼんきょう より)
弟子の名前は 目連(もくれん)。
「神通第一」といわれ呪術力をもった、こちらも釈迦の十大弟子のひとり。
この2つの話から、施餓鬼とお盆の『餓鬼道で苦しむ人を救う』という共通点が徐々に混同され、
餓鬼を供養すればご先祖様の供養にもなる、となっていったのではないかとされています。(※諸説あり)
今のような供養の形が出来上がったのには、このような背景があるようです。
仏教ってなかなかおもしろいですね。(おもしろい、なんていうとお叱りをうけそうですが💦)
仏様の世界だけでなく、神様の世界もおもしろい話がたくさんあるようです。
これからも折に触れていろんな話を探していこうと思います。